辻響平さん出演で観て来た 焔の命 は、連合赤軍浅間山荘事件、オウム事件がどうして起きたのかを理解するのに勉強になった。
最初からテロリスト、悪人はいない。
最初は普通の人達。
それが何かの切っ掛けで人生の分岐点が現れ、今までとは違う悪い方向へ進んでしまう。
俺たちの年代、1960年代生まれって、学生運動を知らず政治に関心がなく静かな時代に育った貧乏人のお坊ちゃまが多かったそんな印象を持っている。
内ゲバをやる学生運動には全く関心も興味もなかったけど、
自分の周りにオウム真理教があったら信者がいたら友達が入っていたら自分も流されてオウムに吸収されていたかもと思うとちょっと怖い。
―女優の卵がテロリストになった理由―という副題がついているけど、すべての人にテロリスト、極悪人になってしまう可能性はないとは言えないと理解させられた。
劇団、女優の卵が劇の主役ではあったけど、社会から疎外されるとあらゆる分野職業であらゆる人々がテロに走る可能性はある。
起きて欲しくない虚構の世界を目の当たりにしてきた。
このお芝居は恵比寿・エコー劇場にて明日まで。
12開演、16時開演でラスト。
劇団焔の命の演出家を頂点に劇団員が狂気に変質していく様が恐ろしく、一度狂い出すと止めることができない、後戻りできない流れが怖かった。
客演の皆さんが皆主役級の方達ばかりで『焔の命』は重厚なお芝居だった。
辻響平さんは軽い役、面白い役、怖い役、なんでも出来ちゃう上手い俳優さんだ。
辻響平さん出演のお芝居を見逃さず観に行く。
今回主演女優の福永マリカさんは役では目立たない女優の卵だったけど、演技セリフが上手い女優さんだった。
ルポライター役黒沢佳奈さんも現実の人に見えて思えて良かった。
看板女優役佑木つぐみさんの演出家を崇拝する感じが上手くて、こういう人いるよなって思った。
松澤くれはさんの脚本・演出が良かった。
自分も流されていつか事件を起こさなければいいなと思った。
誰にでも可能性のある『焔の命』だった。
明日都合の良い方は是非に!